この間、株式関連のあるYouTubeを拝見していたら、商社株に関しての動画がありました。
その中で、商社の事を歴史的に言われてきた「ラーメンからミサイル」までの販売を取り次ぐのがメインの業態と言う様な紹介をされていました。
確かに、私が商社に入社した1982年頃は、上記の様な表現をされていたもので、私の入った商社はそんなに大きくはないので、ミサイルの様なでかい商材はないなぁと思っていた事を思い出しました。
1980年代は、バブルに突入し、やがて80年代の終わりと共にバブルが弾けた日本経済の中で、商取引の仲介業(国内も貿易も)が、商社の主な業態でした。
ある程度の資金を使って、物を右から左に流し、仲介口銭を頂くと言うのが伝統的な取引形態でした。
私は、貿易部門にいましたので、貿易実務や語学が大事な時代でもありました。
1990年代に入り、製造業の海外進出が盛んになって行くのと時を同じくして、単なる仲介業の需要が減り、製造業の方々が直接の取引をされるようになりました。
この頃、盛んに「商社冬の時代」とか「商社不要論」が論じられていた気がします。
商社に携わっている身としては、若干の不安がありました。
但し、この状況に甘んじていなかったのが商社でした。海外進出を計画する製造業を中心とする事業者の方々の「水先案内人」として活路を見出して言いたのでした。
その内に、それら製造業の方々との合弁事業としての出資を行い、事業に参画して行く形態が増えて行きました。
その様なノウハウが溜まって行く過程で、商社パーソンに必要な能力も変わって来ました。
以前は、「物を動かす」商流中心の業務でしたが、「会社を経営する」経営人材が必要とされるようになりました。
会社を経営するには、「簿記」を中心とした会計理論が重要になります。
2000年を超えて21世紀に突入すると、事業経営の流れが益々活発となり、日本の製造業にくっついていく事のみならず、国内外で独自の事業開発、展開を行う様になりました。
また、この頃から、インターネットの進化やデジタル化の加速が顕著になって来ました。
ITリテラシーも、重要な能力となって来ています。
商社の中にいて、その求められる能力を絶えず磨かざるを得なかった経験は、大変貴重な物でした。
今の商社パーソンには、もちろんぶれない自分を持つことが重要ですが、能力で言うと、「簿記」「IT能力」「語学」が重要だと感じています。
商社で働く従業員が能力を磨き、世の中の流れを先読みし、まだまだ商社は生き残って行くのに違いないと思っている今日この頃です。
次回に続く…。
コメント