「南アフリカ製車」の周辺国への輸出

仕事の思い出

1995年1月17日未明に発生した「阪神淡路大震災」の時は、東京に勤務していました。
東京は、ほとんど揺れなかったので、朝起きてニュースにて大惨事を知る事となりました。
確か、次の日18日に日本を出発し、南アフリカのヨハネスブルグに2か月ほどの長期出張に出たのを覚えています。
その時は、会社のヨハネスブルグ支店近くのアパートメントホテルに滞在していました。
毎日、会社からホテルに帰ると、ニュースを見るのを日課としていました。
毎日、「阪神淡路大震災」関連のニュースも、南アでも報道されており、一日に千人づつ犠牲者が増えて行った事に胸を痛めていた記憶が蘇ります。

この時の主な出張目的は、南アフリカのダーバンで作られた車を近隣諸国に輸出するスキームを確立する事でした。
それまでは、南アフリカの工場で生産された車両は、南アフリカ国内市場専用に販売されていました。
周辺国に関しては、遠路はるばる日本で生産されて車両を海路アフリカ大陸まで輸送して、その後、陸路で、各市場に運んでいました。
市場の近くで生産された車両を購入できれば、輸送コスト等の削減ができます。
その時は、先ずは、手始めにマラウィ、ジンバブエ、ザンビアの旧ローデシア3国とモザンビークに南ア製車を輸出する事となり、その輸出業務を行う様メーカーの依頼に基づき必要な手配を行っていました。
その4か国には、南アフリカより、陸路で輸送する事になります。
・その物流ルートおよび方法の確保
・南アフリカからの輸出手続きの確認
・輸入国側での輸入手続きの確認
等を前の年から開始しており、いよいよ輸出がはじまると言う段階であったと思います。

日本では、日本製車のアフリカ向け輸出業務は行っていましたが、上記の様な物流に係る一連の手配は物流部門に任せていましたので、全ての手配を自分で行うと言うのも初めての経験でした。
ヨハネスブルグ駐在員が、リーダーとなりこれらの作業を行っていましたが、私は日本からサポートする立場で、長期出張していました。

輸出通関、輸入通関には、船積書類(Shipping Documents)をそろえて、輸送される車両と一緒に送る事が必要です。
船積書類の中でも一番重要なインボイスの作成をいかに効率的に行うかを考えました。
当時は、ウインドウズがまだあまり普及してなく、PCも業務には使われていませんでした。
ヨハネスブルグ支店には、駐在員が持ち込んだ「東芝ルポ」と言うワープロがありました。
そのワープロには、ウィンドウズで言うエクセルの簡易版の様な「Lotus1-2-3」と言う計算ソフトが入っていました。そのソフトを使い、車種、モデルコード、価格の一覧表から、コードを選べば、車種や価格を飛ばすことができ、合計価格計算ができる簡易システムを作成し、インボイス発行の省力化を行いました。
その後、エクセルやインボイス作成システムが進化するまでの数年間Lotus1-2-3インボイス発行システムが使われる事になりました。
自分が作成したシステム(システムなんて言える難しいものではありませんでしたが…)が、ある程度使われたのはうれしい事でした。

今、あの頃を思い出して書いてしまうと上記の通りですが、Lotus1-2-3に苦労して、結構な時間を使って悪戦苦闘していた事も思い出します。でも、この様な経験をしたので、間もなく一気に使われるようになった「エクセル」にも比較的早くなれる事ができたのかなと思います。

そんなこんなで、いよいよ初輸出の日を迎えるのですが、何とその前後は、駐在員が出張者のアテンドで、周辺国に出張する事となり、彼から、輸出一連の作業を全てサポートの私に任せるとの事で、出張に出てしまいました。一人で、必要な書類を作成し、何とか送付、無事通関完了で現地に到着した時は大変うれしかった事もいい思い出です。

次回に続く…。

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