前回、「パスポート残存期間不足(シンガポール編)」を書いたのですが、エクアドルも残存期間6か月を要求している国でした。
私が、2013年から2015年まで駐在していた時に、日本の本社の担当で、良く出張で来てくれていた担当者がいました。
彼は、海外出張経験も豊富で、国により、パスポートの残存期間を要求している事等は知らないとは言えない立場には、ありました。
ところが、ちょっと図太い性格もあり、前回の出張時に、たまたまエアラインのチェックもエクアドルでの入国審査でのチェックも通り、彼のパスポートの有効期限が6か月を切ってしまっていたのにも関わらず、入国し、仕事をこなし、何事もなく日本に帰国できてしまったとの事です。
気のゆるみがあった様です。
私は、その事実を知りませんでしたので、次年度の予算設定と言う重要な任務で出張してくる彼がその日の夜遅く到着するものと思い込んでいました。
ちょうど、その日は、エクアドルで数少ない日本人の2大滞在地の一つ、キト在住者(私もメンバーの一人でした)がグアヤキルを訪れ、グアヤキル在住の日本人との、対抗ゴルフ大会を行って、打ち上げの夕食会に出席している時に、彼から電話を受け取りました。
「マイアミの空港で、チェックインをしたところ、パスポートの残存期間不足によりキト行きにチェックインできなかった、従い今回はエクアドル行きを諦めて、もう一つの担当であるパラグアイに行き、その後日本に帰国する。自分の不注意で大変申し訳ない」と丁重に謝られました。
私は、彼との打ち合わせで、来年度の重要な予算を決めていかねばならない立場でしたので、大変困った事態になったと感じました。
ちょうど、そのゴルフメンバーに日本大使館関係者もおられましたので、パラグアイにて緊急にパスポートの発行を受ける事ができないだろうかと相談しました。
大使館関係者曰く、有効なパスポートを所持しているのならば、申請書に有効なパスポートと新規パスポート用に写真を提出し、手数料を支払えば、パスポート自体の発行は問題ないとの確認を得ました。
次に発行のタイミングですが、その作業が多くない在外公館であれば、即日発行も不可能ではないとの話を伺いました。
それを受け、直ちにマイアミの空港にいる出張者に連絡を入れ、パラグアイ到着後仕事を始める前に在パラグアイ日本大使館領事部に参上し、パスポート新規発行の手続きをし、緊急発行の依頼をする様アドバイスを行いました。
たまたま、パラグアイの日本大使館はご多忙ではなく、即日発行をして頂けました。
と言う事で、彼は、パラグアイとエクアドルの出張の順番を変更するのみで、その出張のミッションを達成できたのでした。
緊急発行依頼と言う裏技は、本来使うべきではありませんが、本当に必要となった場合、在外公館はできる協力をして頂ける可能性がある点をお知らせしておきます。
次回に続く…。
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