バルセロナ駐在 準備編

海外駐在

「Pacoの歩み」で、私のこれまで歩んできた道を紹介していますが、1990年に入社8年目、ちょうど30歳の時に、入社前からの夢であったスペイン拠点の開設と言う仕事がめぐって来ました。

その話は、何の前触れもなく、突然やって来ました。1989年秋のある夜、上司から話があるので、今夜飲みに行こうと誘われました。バブルがはじけかけていた時期でしたが、未だバブルを謳歌している様な時代でしたから、タクシーで、上司の好きな赤坂の店に向かっていた時に、タクシーの中で、
「今、お前にスペイン駐在の話が出ている、悪くない話なので、受けた方がいい。」と言われました。
「でも、スペインには、拠点はありませんよね?」
「だから、お前が新規事務所の開設で行くという話だ。」との事で、大変びっくりしましたが、こんなに早く一つの夢がかなうんだと思った記憶があります。

その後、正式な内示、取締役会での社内決裁等々が順調に進み、90年4月より事務所開設の本格的な準備に着手しました。
拠点があるところであれば、その拠点が準備するビザ取得から赴任までの流れに従って準備し、赴任するのみで業務を開始できます。
新規拠点と言うのは、何から何まで、自分で行う事が求められます。今でこそ、会社も大きくなって、人事総務も充実して来ていますが、当時は、それらの部署も小さくほとんど全て自分で行う事が必要でした。

経理部門からT銀行のバルセロナ支店を紹介され、4月の事前準備出張にて、訪問しました。
当時は、バルセロナオリンピック前と言う事もあり、日系企業の進出ラッシュの状況でしたので、T銀行さんには、進出企業のバックアップ体制が整っていました。
そこで、事務所開設とビザの取得には、この法律事務所が強いので、使った方がいいと言う様なお話を頂き、そことのコンタクトから開始しました。その法律事務所からは、
・駐在員事務所とは言え、将来会社として独立できるように法人を立ち上げる
・その設立を前提としたビザに必要なスペイン側の書類を作成するので、在東京スペイン大使館領事部で、ビザの申請を行う
様アドバイスされました。

この出張で、事務所開設の目途を立てて、日本に戻り、先ずは、ビザの申請です。
なにも分からないので、とにかくスペイン大使館領事部に出向き、話を聞きに行きました。駐在後にほかの会社の駐在員と話をする中で分かったのですが、当時の領事部には、日本人の名物女性担当官がおられました。ビザを取得するための第一関門は、彼女にスペインへ駐在する必要性を納得してもらう事でした。彼女からは、事務所開設の必要性等々の質問を受けましたので、後日、本社の「会社概要」等必要書類を持って説明を致しました。

ラッキーな事に、Pacoの苗字が、たまたま、その担当官の苗字と一緒で親近感を持ってもらった事が功を奏し、考えられないスピードでビザの発給を受ける事ができました。これは、後々の他社の駐在員仲間との会話で判明した事実でした。

そのビザを持って、やっと正式にスペインに赴任する事は、できました。
しかし、会社と言う受け皿のない赴任でしたので、先ずは、会社の設立を行わねばなりません。
法律事務所より、会社設立までは、色々な制約があるので、人を雇ったりすることはできないが、事務所は借りても良いと言われ、事務所を何とか借りた事からスタートしました。

事務所の入っていたビル。2020年3月に訪問した時に撮影。変わらず残っていて、うれしかった。

次回に続く…。

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